雨音マリのブログ(仮)

東京で会社員をしています。興味があることや、日々感じたことなどについて書いていきます。

中学のムカデ競争で引きずられて、10年以上残る傷痕がついた話

運動会での組体操の危険性が注目されるようになっています。

私も中学の運動会種目だったムカデ競争で怪我をして、その後10年以上、膝に見苦しい傷痕が残ってしまいました。高校生・大学生のときは膝上のスカートを穿くことが躊躇われて、膝下丈のスカートばかり穿いていました。

 

ムカデ競争は、クラスの全員が参加しなければいけない種目でした。背の順で並んで全員の足をつなぎ進みます。私はクラスで2番目に背が低かったのですが、1番背が低かったAちゃんは、多分多少の知的障害がある子でした。私は彼女と小学校から同じ学校で長い付き合いだったこともあり、「Aちゃんには、みんなと同じタイミングで足を出すのは難しいんじゃないかな、無理じゃないかな」と思いました。でもそんなことを言い出せるわけもなく、練習が始まりました。(Aちゃんが出来ないことを指摘するのは酷いことだと思ったからです。)

はじめての練習ですぐに、私の前にいるAちゃんのリズムが崩れ始めました。みんな「右!左!右!左!」と言いながら足を出しているのですが、あきらかに体の動きがおかしいのです。私は後ろを振り向きながら「ストップ!!止まって!!」と叫びましたが、みんなの声の方が大きく、特に後ろの方までは聞こえるわけがありません。Aちゃんは声を出せないでいるようでした。

 

結局私は姿勢が崩れ、地面に膝をついてしまいました。それでも、縛り付けてある足の動きは止まることがなく、ある程度長い距離を引きずられてしまいました。後ろにいる人たちの方が体が大きく力も強く、しかも前の様子などわからないので、止まるまでに時間がかかってしまったからです。痛いし怖いし止まりたいのに自分の足が強い力で動かされ続けるというのはとても恐ろしい体験でした。

 

必死で地面をつかもうとした手のひらと膝頭はぐちゃぐちゃになり、血はたくさん出るし、ものすごく痛いしで、泣きながら保健室に行きました。(ちなみにAちゃんは何故かほとんど怪我をしないで済みました。)私はその後の練習も本番も、「膝が痛いから」と言って参加しませんでした。本当は頑張れば参加できたのですが、恐ろしくてたまらなくて、多少嘘を混ぜて「できない」と言い張ってしまいました。

薬をたくさん塗ってガーゼで押さえて、お風呂に入るのに苦労する日々が続きました。ぐじゃぐじゃは少しずつ治っていきましたが、赤と青と黒の混ざる、不気味なまだら模様の膝頭になってしまいました。(手のひらは軽症だったこともあって割とすぐに良くなりました)

 

Aちゃんを責める気持ちはありません。私は運動が大の苦手だったので、Aちゃんが転ばなくても、私自身がみんなに合わせられなくなって転ぶ原因になったかもしれません。安全対策の取りようももっとあったと思います。一度に足をつなぐ人数をもっと少なくしてリレーにするとか、膝などにつけるサポーターを配布するとか。いっそ全員参加にしないとか。Aちゃんや私のように、そういうことが著しく苦手な人もいるので。

 

ここ1、2年ほどで、膝頭のまだら模様が随分消えてきました。もう薄い茶色一色になり、知らない人には見ても気づかれないか、ちょっと汚れているだけに見えるかもしれません。

傷痕とともに、辛かった記憶も消えていけばいいなと思います。もう年齢的に短いスカートを穿くことはないだろうけど。

 

私個人の記憶は早く癒されてできるだけ忘れてしまいたいと思っていますが、こうして怪我をする子供が少しでも減るように、いなくなるように、願います。